2018年2月のブログ一覧
白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけり
院内に掲示してあるこちらの読み方や意味をよく患者さんから聞かれるのでご紹介します!
「白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけり」
【解説】
よく知られ、戯曲や小説にも引用されることが多い歌である。
秋の夜長、ひとり静かに酒を飲み、来し方行く末を思い人生を考える。みんなで楽しく飲む酒もよいが心を清ましてひとり飲む酒はまた格別の味わいである。
とらになって巷をさまよいわめく酒飲みは範とすべき酒のたしなみ方だろう。
【作者】若山牧水
【生没年】1885~1928
【職業】歌人
【出典】『路上』
【参考】牧水は自然に親しみ、酒を愛し、おおらかな歌を生んだ。「幾山河越えさり行かば寂しさの終てなむ国ぞ今日も旅ゆく」「白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ」などの歌が有名。酒についての歌も多い。「たぽたぽと樽に満ちたる酒は鳴るさびしき心うちつれて鳴る」「足音を忍ばせて行けば台所にわが酒の壜は立ちて待ちをる」など。たいそうな酒豪で、一日一升の酒を飲んでいたという。肝硬変を患って、四十四歳という若さで亡くなった。
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