骨粗鬆症とは?

骨の量が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。
古くは古代エジプト文明時代からある病気なのですが、近年寿命が延び、高齢者人口が増えてきたため、特に問題になってきています。
日本では、約1,000万人の患者さんがいるといわれており、高齢者人口の増加に伴ってその数は増える傾向にあります。
骨の構造から見ると、皮質骨よりも海綿骨で骨の量の減少が明らかです。
海綿骨の量が減ると、複雑にからみあったジャングルジムのような網目構造がくずれて、あちこちでジャングルジムの「棒」(骨梁:こつりょうといいます)がなくなっていくので、骨が弱くなるのです。
骨が弱くなると、ちょっとしたことで骨折しやすくなります。
- 高齢者の寝たきりの原因のうち約20%が「骨折」といわれています。
中でも「大腿骨(だいたいこつ)」という太ももの骨の骨折が問題となります。
つまり、骨折をきっかけに寝込んでしまうと、骨折が治った後も自力で歩くことが困難になってしまうのです。 - 背骨が圧迫されてつぶれていく(圧迫骨折といいます)と、背中が丸くなり内臓が圧迫されるため、消化不良や便秘になったり、食べたものが食道に逆流しやすくなり胸焼けがしたりします。
背中や腰などに、骨折に伴う痛みが出てくることがあります。 - 痛みのために、日常生活での動作が制限され、行動範囲も狭まってしまいます。
背が縮む 背中・腰が痛い 背骨が曲がる
背骨の骨折 手首の骨折 太ももの付け根の骨折
- 加齢 性ホルモン産生の低下のほかに、年をとると骨芽細胞(骨をつくる細胞)の働きが弱くなります。
また、腎臓の働きも低下するため活性型ビタミンDがつくられにくくなったり、食事の量が少なくなったりするため、カルシウムの吸収量が低下します。
カルシウムの摂取量が少ない、偏食乳製品をとっていなかったり、偏食して栄養バランスが偏ったりすると、食物からカルシウムなどが十分にとれなくなります。 - 閉経 閉経に伴って女性ホルモンが急激に低下すると、破骨細胞(骨を壊す細胞)の働きに骨芽細胞の働きが追いつかなくなります。
- 運動不足 適度な運動で骨に刺激を与えると骨は丈夫になります。
反対に、運動しなくなると骨はだんだん弱くなっていきます。 - 日光に当たらない生活 日光に当たると、皮下でビタミンDが合成されます。
ビタミンDは腸からカルシウムを吸収するために必要な物質です。 - 喫煙 ニコチンは、腸からのカルシウムの吸収を阻害し、カルシウムを尿中に排出します。
また骨芽細胞の機能低下も引き起こします。 - 嗜好品のとり過ぎ コーヒーなどに含まれるカフェインのとり過ぎや、過度の飲酒は骨量の減少につながります。
- 極端なダイエット 食事を極端に減らすダイエットは、栄養不足、特にカルシウム不足の原因になり、骨量の減少を招きます。